これからPMDG737NGXの、エンジンスタートを行います。
手順
「MFD」の「ENG」ボタンをPUSHし、現在下側のDUに表示されているエンジンの情報を、上側のDUに表示させます。


エアコンのために使用していたAPUからの圧縮空気をエンジン始動のために使用するため、エアコンの「PACK」スイッチを、OFFにします。 機内ではエアコンの音が静かになります。

キーボードの「F1」キーを押して、スラストを完全に閉じます。 ジョイスティックのスロットルには遊びがあることが多いので、キーボードを使用します。
最初に右側のNo.2エンジンをスタートします。 その理由には2つあります。
- APUは左側のタンクの燃料を使用しているため、左右のタンクにアンバランスが生じています。 右側のエンジンから始動することで、そのアンバランスに対応します。
- 乗り遅れた乗客が、左側のドアを使用して乗り込むことができるようにするため。
No.2エンジンのスタートセレクターを「GND」ポジションにします。

N2の回転数の上昇を確認します。

N1の回転数も上昇していきます。
N2が、25%に達したら、No.2エンジンのスタートレバーを「IDLE」ポジションにアップします。 燃料がエンジンに送り込まれ、点火します。

N2が56%あたりに到達すると、エンジンのスタートセレクターが「OFF」の位置に自動的に戻ります。 「カチッ」という音が聞こえるでしょう。
エンジンの各パラメーターをモニタリングします。 N1が20%程度、N2が60%程度、EGT(排気温度)が380度程度で落ち着きます。

No.1エンジンも同様にスタートします。

これでエンジンスタートは完了です。
ジェットエンジンの「N1」「N2」について
現在、旅客機には「ターボファンエンジン」と呼ばれる種類のジェットエンジンが多く使用されており、B737NGシリーズも同様です。
ターボファンエンジンの燃焼過程は、大まかに、
低圧コンプレッサー
↓
高圧コンプレッサー
↓
燃焼室
↓
高圧タービン
↓
低圧タービン
↓
排気
となっています。
「N1」は上記「低圧セクション」の回転数(率)です。 低圧セクションは、「ファン」「3つの低圧コンプレッサー」「4つの低圧タービン」で構成されています。 タービンは燃焼室の後ろにありますが、燃焼室の前にあるコンプレッサーと回転軸でつながっています。 低圧セクションで、エンジンの推力の80%を生み出しています。 エンジンを正面から見たときに見えるブレードは、N1コンプレッサーの一部です。
「N2」は「高圧セクション」の回転数(率)です。 高圧セクションは、「9つの高圧コンプレッサー」と「1つの高圧タービン」で構成されています。 低圧コンプレッサーと同様、回転軸でつながっています。