PMDG737NGXの操作を、東京羽田空港から大阪伊丹空港までのチュートリアルフライトを通じて詳しく解説!
第22回目は、エンジンスタートを実施します。
「MFD」の「ENG」ボタンをPUSHし、現在下側のDUに表示されているエンジンの情報を、上側のDUに表示させます。
現在、エアコンのために使用しているAPUからの圧縮空気を、エンジン始動のために使用します。エアコンの「PACK」スイッチをOFFにしてください。機内ではエアコンの音が静かになります。
キーボードの「F1」キーを押して、スラストを完全に閉じます。ジョイスティックのスロットルには遊びがあることが多いので、キーボードを使用します。
最初に右側のNo.2エンジンをスタートします。
APUは左側のタンクの燃料を使用しているため、既に左右のタンクにアンバランスが生じています。右側のエンジンから始動することで、そのアンバランスに対応します。また「乗り遅れた乗客が、左側のドアを使用して乗り込むことができるようにするため」という理由もあるようですが、一般的にエンジンスタートの段階ではボーディングブリッジは外されているので、よほどの事情が無い限り、考えにくいですね。
No.2エンジンのスタートセレクターを「GND」ポジションにします。
N2の回転数の上昇を確認します。
N1の回転数も上昇していきます。
N2が25%に達したら、No.2エンジンのスタートレバーを「IDLE」ポジションにアップします。燃料がエンジンに送り込まれ、点火します。
N2が56%あたりに到達すると、エンジンのスタートセレクターが「OFF」の位置に自動的に戻ります。(「カチッ」という音が聞こえます)。
エンジンの各パラメーターをモニタリングします。N1が20%程度、N2が60%程度、EGT(排気温度)が380度程度で安定します。
No.1エンジンも同様にスタートします。
現在、旅客機には「ターボファンエンジン」と呼ばれる種類のジェットエンジンが多く使用されており、B737NGシリーズも同様です。
ターボファンエンジンの燃焼過程は、大まかに、
- 低圧コンプレッサー
- 高圧コンプレッサー
- 燃焼室
- 高圧タービン
- 低圧タービン
- 排気
の順となっています。コンプレッサーとタービンは、燃焼室を挟んで回転軸でつながっています。
- 「N1」は、上記の「低圧コンプレッサー」と「低圧タービン」の回転数(率)を示す値です。
- 「N2」は、上記の「高圧コンプレッサー」と「高圧タービン」の回転数(率)を示す値です。
航空機のエンジンを正面から見ると、沢山の大きな羽(ブレード)が見えますが、あれは「低圧コンプレッサー」の一部です。
以上でエンジンスタートは完了です。
エンジン始動のために「OFF」にした「PACK」スイッチは、次回の「タキシング」で元に戻します。