PMDG737NGX 電気系統の設定

PMDG737NGXの操作を、東京羽田空港から大阪伊丹空港までのチュートリアルフライトを通じて詳しく解説!
第13回目は、電気系統の設定を実施します。

今回は、オーバーヘッドパネルの電気系統の設定をしていきます。下のスクリーンショットの黄色枠の部分です。

OVHD Pannel

「BATTERY」スイッチのガードが閉じていることを確認します。ガードが閉じていると、スイッチは「ON」のポジションにあります。このスイッチをONにしておくと、通常パワーが失われた時に、自動的に待機系電気システムがバッテリーに接続されます。

BATTERY Switch

「CAB/UTIL」スイッチと、「IFE/PASS SEAT」スイッチが「ON」であることを確認します。「CAB/UTIL」スイッチは、ギャレーやキャビンに電力を供給するスイッチです。このスイッチがOFFだとギャレー等で電気が利用できません。「IFE/PASS SEAT」スイッチは、乗客のシートに付いているオーディオ等エンターテイメント・システムに電力を供給するスイッチです。

CAB UTIL Switch

「STANDBY PWR OFF」ライト、「BAT DISCHARGE」ライト、「TR UNIT」ライト、「ELEC」ライトが消灯していることを確認します。

STANDBY POWER Light
「STANDBY PWR OFF」ライト

「STANDBY PWR OFF」ライトは、以下のいずれか(または複数)に電力が供給されていない場合に点灯します。

  • AC Standby bus
  • DC Standby bus
  • Battery bus
「BAT DISCHARGE」ライト

「BAT DISCHARGE」ライトは、「BATTERY」スイッチがONで、バッテリーの過放電が検知された時に点灯します。

「TR UNIT」ライト

「TR UNIT」ライトの「TR」は、「Transformer Rectifier」(変圧整流器)のことで、115ボルトAC電源を28V DC電源に変換する装置です。 B737NGでは3台のTRを搭載していて(TR1, TR2, TR3)、「TR UNIT」ライトは、以下の場合に点灯します。

  • 地上にいる場合 … いずれかのTRが故障したとき。
  • 飛行中の場合 … TR1が故障したか、TR2とTR3が故障したとき。
「ELEC」ライト

「ELEC」ライトは、DC電源システムまたは、待機系電力システムに異常があるときに点灯します。

赤い「DISCONNECT」スイッチがガードされていることを確認します。また、「DRIVE」ライトが点灯していることを確認します。「DISCONNECT」スイッチは、発電機をエンジンから機械的に切り離すためのスイッチです。再接続できるのは地上整備員だけです。つまり、飛行中に切り離すと再接続できません。

GENERATOR DRIVE Switch
「DRIVE」ライト

「DRIVE」ライトは、発電機内の油圧が低い場合に点灯します。その理由は以下のいずれかです。

  • 発電機の故障。
  • エンジン停止中。
  • 発電機内のオイルが高温になったため、発電機が自動的にエンジンから切り離されたとき。
  • 「DISCONNECT」スイッチによって、発電機が切り離されたとき。

次に「Generator Control Panel」の確認を行います。
「BUS TRANS」スイッチがガードされていることを確認します。ガードされていると、スイッチは「AUTO」のポジションにあります。また、「TRANSFER BUS OFF」ライト、「SOURCE OFF」ライトが消灯していること、「GEN OFF BUS」ライトが点灯していることを確認してください。

BUS TRANSFER Switch
「TRANSFER BUS OFF」と「SOURCE OFF」が消灯している理由

PMGD737NGXの付属マニュアル「Tutorial-2.pdf」には、

『TRANSFER BUS OFF、SOURCE OFF、GEN OFF BUSの各ライトが点灯していることを確認する。』

と書いてあるのですが、その状態になるのはバッテリーから電力が供給されている場合です。当チュートリアルでは、現在、地上設備から電力の供給を受けていますので、「TRANSFER BUS OFF」と「SOURCE OFF」は消灯しています。

「BUS TRANS」(BUS TRANSFER)スイッチがAUTOになっていると、BTBs(Bus Tie Breakers)は、動作している供給元(発電機または地上電力)からAC Transfer Busへ電力を供給するよう、自動制御します。

  • 「TRANSFER BUS OFF」ライトは、AC Transfer Busに電力が供給されていないときに点灯します。
  • 「SOURCE OFF」ライトは、手動で選択された電源から、電力が供給されていないときに点灯します。
  • 「GEN OFF BUS」ライトは、エンジンの発電機から、電力が供給されていないときに点灯します。

さて、「BTBs(Bus Tie Breakers)」とは何か?「AC Transfer Bus」とは何か?などちょっと調べてみたのですが、奥が深く、時間がかかりそうなので、これ以上調べるのを断念しました。B737NGの電力システムを勉強することになるので、とても興味深いのですが、このページはここまでとします。

次回は、APUの起動を行います。