PMDG737NGXの操作を、東京羽田空港から大阪伊丹空港までのチュートリアルフライトを通じて詳しく解説!
第20回目は、プッシュバックとエンジンスタート前に実施する「ビフォア・スタート・プロシージャー」を解説します。
乗客の搭乗が終わり、キャビン・クルーがドアを閉じています。プッシュバックとエンジンスタートの準備はほぼできていますが、その前にもう少し手順があります。
フライトデッキのドアが閉じられており、ペデスタルのスイッチが「AUTO」ポジションであることを確認します。このスイッチが「AUTO」のポジションの時、ドアの外側にあるキーパッドから「緊急入室コード」を入力することで、ドアがアンロックされます。
PMDG737NGX付属マニュアルでは、このタイミングで「フライト・デッキ・ドアの確認」が出てくるのですが、『乗客の搭乗が開始される前に実施するべきじゃないの?』という違和感がありますね。
エンジンDUの「N1・リミット・バグ」の表示が適切であることを確認します。今回のフライトでは、87.4%~87.6%の範囲にあるはずです。
オート・スロットルをARMにします。
MCPの「IAS/MACH」ウィンドウに、V2スピードをセットします。 V2スピードは、FMCの「TAKEOFF REF」ページで確認できます。
LNAVとVNAVをARMにします。
MCPの「HEADING」ウィンドウに、最初のヘディングであるRW34Rの方位を入力します。RW34Rのヘディングは、FMCの「TAKEOFF REF」の2ページ目で確認できます。
MCPの「ALTITUDE」ウィンドウに、SIDの「JYOGA」ポイントの高度制限である「15000」をセットします。
キャプテンによるテイクオフ・ブリーフィングを行います。
- 離陸滑走路は、34Rです。
- TAXIWAYは、E5、C、C1を使用します。
- 離陸方式は、急上昇方式です。
- 離陸後、1500フィートまではテイクオフ・スラスト、3000フィートまではクライム・スラスト、その後加速し、フラップを収納します。
- もし、V1後、エンジンの一つが故障したら、1000フィートまで上昇後、加速を開始します。
- SIDはJYOGA1、LNAVとVNAVを使用して、RNAVでJYOGAまで行き、その後はエアー・ウェイです。
- フライトレベルは、240です。
燃料ポンプを起動します。オーバーヘッド・パネルにある、メイン燃料タンクの「AFT」「FWD」ポンプを「ON」にします。センター燃料タンクは、燃料を積んでいませんので「OFF」のままです。
油圧ポンプを起動します。「ELEC1」と「ELEC2」の油圧ポンプを「ON」にします。それぞれの「LOW PRESSURE」ライトが消灯することを確認してください。
ブレーキ・プレッシャーが、2,800psi以上あることを確認します。
下側DUの「SYS」ページで、A系・B系の油圧が、それぞれ2,800psi以上であることを確認します。
油圧はA系・B系で差異があるかもしれませんが、実機では普通のことなので、問題ありません。
「ENG」をPUSHし、エンジン・ページに戻します。
「ANTI COLLISION」ビーコンのスイッチを「ON」にします。このライトは「油圧が動作している場合」「航空機が動いている場合・動こうとしている場合」に点灯する必要があります。
テイクオフ・トリムをセットします。FMC「TAKEOFF REF」の1ページ目にトリム値が表示されていますので、この値に合わせます。トリムが「緑色のバンド」の範囲にあることを確認します。FMCの値とピッタリ同じにセットする必要はありませんが、近似値にセットする必要はあります。
ラダー・トリムが「0」にセットされていることを確認します。
エルロン・トリムが、「0」にセットされていることを確認します。エルロン・トリムは操縦桿に付いています。
エルロン・トリムは、ラダートリムスイッチの左にあるエルロントリムスイッチを動かすことで調整できます(操縦桿が少しずつ動きます)。
「BEFORE STARTチェックリスト」を実行します。
Flight deck door : Closed and locked
Fuel : LBS/KGS,Pumps ON
Passenger signs :
Windows : Locked
MCP : V2 , HEADING , ALTITUDE
Takeoff speeds : V1 , VR , V2
CDU preflight : Completed
Rudder and aileron trim : Free and 0
Taxi and takeoff briefing : Completed
Anti collision light : ON
以上で「ビフォア・スタート・プロシージャー」は完了です。
次回は、プッシュバックを行います。